補助(法定後見)
補助の3つのポイント
- 判断能力が衰えた方を対象に、家庭裁判所で後見人を選任。
- 「補助」は、『判断能力が不十分な方』を対象。
- 補助人選任の手続きは、住所地の家庭裁判所で行います。
補助人選任で、こんなご心配、お悩みに対応できます。
- 普段はしっかりしているように見えるが、訪問販売で不要な商品を買っている。
- 遠方に住む一人暮らしの父が、お金の計算や管理をできなくなった様子で心配。
- ひとりで買い物に出られるが、銀行のATMの操作や入出金が苦手。
法定後見のうち「補助」とは
補助は、判断能力が不十分な方を対象。
法定後見制度は、すでに判断能力が衰えた方について、その方を支援する人(後見人等)を家庭裁判所で選任してもらう制度です。
法定後見は、ご本人の判断能力の程度により、「後見」「保佐」「補助」の3段階に分かれていますが、その中の「補助」は、判断能力が不十分な方、財産の管理処分には援助が必要な場合もある方を対象とします。
家庭裁判所で選ばれた補助人は、家庭裁判所が定めた範囲に限り、同意権や代理権を持つことになります。したがって、後見や保佐よりも、補助人の権限は制限されます。
同意権の内容としては、例えば、「通信販売又は訪問販売による契約の締結」「クレジット契約の締結」が考えられ、補助人の同意なくしてご本人が契約された場合、補助人が取り消しすることができます。
代理権の内容としては、例えば、「預貯金に関する金融機関との取引」「定期的な収入の受領(年金手続きを含む)」「介護保険サービス契約の締結・変更・解除」などが考えられます。
補助の申立手続き
補助の申立に必要な書類、手続の流れについて、ご説明します。
法定後見の3類型のうち、「補助」の申立手続きについて、まとめています。
補助の場合は、裁判所が認めた範囲で同意権・代理権が与えられます。どの範囲で補助人同意権・代理権を与えるのかを記載した「同意権目録」「代理権目録」が必要となります。
また、後見の場合と異なり、補助人に「どの範囲で代理権を与えるか」、また、保佐の場合と異なり、補助人に「どの範囲に同意権を与えるのか」について、ご本人の同意が必要になります。調査官との面接の際、ご本人に「補助人を選任して欲しい」「この範囲のことを補助人に頼みたい」という意思表示をしていただく必要があります。
※補助が相当かどうかは、最終的には裁判所が決めますが、補助で申し立てるかどうかは、医師の診断書を元に考えます。
★補助申立に必要となる書類−大阪家庭裁判所管轄の場合
申立書類等(※1) |
・申立書
・本人と補助人候補者に関する照会書
・親族関係図
・同意権目録
・代理権目録
・財産目録、収支予定表 |
申立人に関する書類 |
・戸籍謄本−本人の4親等内の親族が申立人である場合は、4親等内の親族であることが分かるもの |
候補者についての書類 |
・住民票(本籍の記載必要)
・欠格事由に該当していないことを確認する陳述書 |
ご本人についての書類 |
・戸籍謄本
・住民票
・東京法務局の登記されていないことの証明書
・「医師の診断書」と「鑑定についてのおたずね」(※2)
・財産、負債、収入、健康状態が分かる書類
(1)不動産−登記簿謄本
(2)預貯金、株式−預貯金通帳、証券会社の残高報告書等
(3)生命保険−保険証券
(4)負債−住宅ローンの償還表、契約書等
(5)収入−年金額改定通知書、確定申告書等
(6)支出−医療費や施設費の領収書、介護保険料通知書
国民健康保険料通知書
住民税や固定資産税の課税通知書等
(7)健康状態−障害者手帳、介護保険認定書等 |
親族についての書類 |
・親族の同意書(同意書を書いてもらえるご家族について) |
裁判所に納める費用 |
・収入印紙 800円−補助申立分
800円−同意権付与分
800円−代理権付与申立分
・収入印紙(登記用) 2,600円
・郵便切手 4,990円分
※補助の場合は、鑑定は不要の扱いです。 |
※1 |
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申立書のほか、照会書、財産目録、収支予定表、同意権目録、代理権目録等、申立関係書類は、家庭裁判所の所定の書式があります。 |
※2 |
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医師の診断書と、鑑定についてのおたずねは、裁判所所定の書式があります。
診断書を作成してもらう医師は、精神科医には限られていません。 |
なお、管轄の裁判所は、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所になります。大阪府内には、谷町四丁目の大阪家庭裁判所本庁の他、堺と岸和田に支部があります。
★補助の手続の流れ−大阪家庭裁判所管轄の場合
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備 考 |
1. |
家庭裁判所に補助開始・同意権、代理権付与の審判を求める申立 |
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大阪家裁、堺支部、岸和田支部では、事前の予約が必要です。大阪家裁と岸和田支部の場合は、事前に申立書を郵送しておきます。 |
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2. |
裁判所の調査官や参与員による申立人、候補者、本人の面接、事情聴取 |
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大阪家裁管轄では、申立と同日に面接が行われます。
司法書士が書類作成をしている場合や、補助人の候補者になっている場合は、司法書士の同席も認めてもらえています。
※補助の場合は、調査官とご本人の面接が入りますが、大阪家裁管轄の場合、司法書士の「説明状況報告書」により、省略されることもあります。 |
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補助人の選任と、同意権付与・代理権付与の審判がなされます。 |
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審判書が送達されてから2週間の経過で確定します。 |
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審判確定後、裁判所から東京法務局に、登記の手続きがなされます。登記事項証明書が発行されるまで、審判の確定からしばらく日数がかかります。 |
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審判の確定により、補助人は事務を開始することになります。
財産や負債、収支予定について家庭裁判所に報告することの他、金融機関や役所等に、補助人就任の届出(この時、東京法務局の登記事項証明書が必要となります)をすることになります。 |
★注意点
- 補助開始の審判を求める際、申立人が「補助人候補者」を記載して申立をすることができます。候補者には、申立人である親族もなれますが、裁判所の判断により、候補者以外の専門職(司法書士、弁護士等)が選任されることもあります。
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補助人の報酬
補助人の報酬は、家庭裁判所が決定します。
補助人の報酬は、家庭裁判所に「報酬付与の審判」を申し立てることにより、家庭裁判所が決定します。専門職が補助人になっている場合、大阪家裁管轄では、「ご本人の誕生日月」に、年に1回補助事務の内容を報告すると共に、報酬付与の申立をしています。
補助人は、家庭裁判所で定められた金額に限り、ご本人の財産から報酬を受け取ることになります。
補助に関してお手伝いできる当事務所サービス内容
1.ご相談から、補助人選任手続きまで
補助の申立前の相談から、申立書類の作成、家庭裁判所の面接の際の同席を通じ、補助の申立手続きをサポートします。
2.補助人への就任
ご要望があれば、当事務所の司法書士を、補助人の候補者として、申立を行うこともできます。その方法により、当事務所の司法書士が補助人に就任している例もありますが、後見と違ってご本人の同意が必要になります。
補助の申立前に、ご本人とお会いし、十分な意思疎通を図らせてもらっています。
成年後見のご相談は、堺市・三国ヶ丘の司法書士吉田法務事務所へ
司法書士吉田事務所では、成年後見制度を通じ、高齢の方、障害を持つ方、身寄りのない方等が、
安心して生活できるよう、法律面からお手伝いします。
<成年後見に関するサポート内容>
・法定後見申立前の相談。法定後見申立書類作成・提出。裁判所への同行。
・親族後見人の継続的サポート。
・任意後見契約前の相談。任意後見契約公正証書の作成サポート。
・財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務委任契約、遺言書作成サポート。
・成年後見人(後見・保佐・補助)、遺言執行者への就任
<出張相談対応>
堺市・大阪市・高石市・和泉市・泉大津市・岸和田市・大阪狭山市・富田林市
河内長野市等、JR阪和線、南海高野線沿線を中心に、ご自宅、施設、病院までご訪問します。
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