死後事務委任契約
死後事務委任契約の3つのポイント
- 死亡後のこと(葬儀や埋葬、供養等)をお願いしておける契約。
- 任意後見契約や遺言とセットでの利用を検討。
- 任意後見ではカバーできない、亡くなられた後の事務にも対応。
死後事務委任契約で、こんなご心配、お悩みに対応できます。
- 身寄りがないので、お葬式、供養をお願いできる人がいない。
- 親族とは疎遠。自分が亡くなった後、友人や知人に連絡をして欲しい。
- 相続人はいるが頼りたくない。信頼できる人に、葬儀を頼みたい。
死後事務委任契約とは
死後事務委任契約で、葬儀や埋葬のことをお願いしておけます。
「死後事務委任契約」は、ご自身が亡くなられた後に関すること、葬儀やお墓に関すること等を、ご本人がお元気な時に、委任する人(委任者)と受任する人(受任者)と契約で定めておくものです。
特に、身寄りがない方や、身寄りがあっても、死後のことについて「自分の意思を確実に実現してもらいたい」と考える方にとって、有効な方法です。
死後事務委任契約の例
契約によって、さまざまなお約束が可能です。
死後事務委任契約では、例えば、このようなことを定めておけます。
- 通夜と告別式は、○○寺にお願いして欲しい。
通夜と告別式の費用は、100万円以内でお願いしたい。
- 永代供養は、○○○寺にお願いして欲しい。
- 賃貸住宅の明け渡しの手続きをお願いしたい。
- 家財道具や、身の回りの生活用品の処分をお願いしたい。
- 下記の友人に、私が亡くなったことを知らせて欲しい。
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死後事務委任契約と任意後見契約との違い
死後事務委任契約は、ご本人の死亡によっても終了しません。
死後事務委任契約と、任意後見契約の違いは、下記のとおりです。
任意後見契約は、ご自身の死亡によって終了します。
しかし、別途、死後事務委任契約を締結することで、任意後見契約終了後の事務についても、お願いしておくことができます。
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死後事務委任契約 |
任意後見契約 |
契約方法 |
公正証書に限らない(※1) |
公正証書に限る |
死亡によって・・・ |
契約は終了しません。 |
契約は終了します。 |
支援をする人 |
受任者(司法書士等) |
任意後見人(司法書士等) |
※1 |
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但し、できるだけ公正証書にするのが望ましいといわれています。
当事務所が死後事務委任契約の当事者になる場合は、公正証書による契約に限ります。
任意後見契約と同時に契約する場合は、任意後見契約を締結する公正証書と、同じ公正証書で別契約にすることも可能です。
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死後事務契約と任意後見契約の関係
死後事務委任契約は、任意後見契約とセットで利用できます。
死後事務委任契約は、任意後見契約とセットで利用できます。
任意後見契約や各種委任契約の効力は、ご本人の死亡により終了します。
裁判所で後見人が選任される「法定後見」の場合も同様です。
しかし、死後事務委任契約は、「ご本人の死亡によっても終了しない」旨の特約をしておくことで、亡くなられた後も契約を存在させることができるものです。
契約 |
死後事務委任契約締結 |
任意後見契約締結 |
生前
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死後事務委任契約スタート
↓
(終了)
↓
相続人に引き渡し |
任意後見契約スタート
↓
<後見人が後見事務>
↓
(終了) |
死後
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死後事務委任契約の問題点
相続人や受遺者との関係に、配慮が必要です。
ご本人の死亡によって、ご本人に関する一切の権利義務は、相続人に承継されます。
そこで、死後事務委任契約においては、明確に解決されていない問題点も指摘されています。
例えば、死後事務の受任者が相続人や受遺者でない場合で、事務の内容が相続人等の意向に反する場合、相続人が委任事務に要する費用の支払いを拒む場合(どの段階で費用を授受するのかも含めて)等です。
相続人や受遺者がおられる場合、遺言書も作成する場合は、相続人等との関係にも配慮した契約内容を検討します。
死後事務委任契約に必要な費用
契約書作成時と、死後事務委任業務に対して費用が必要となります。
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1.死後事務委任契約書作成時の費用 |
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死後事務委任契約を公正証書でする場合は、公証役場の公証人費用が必要となります。
受任者の報酬によっても異なりますが、2万円前後です。
また、死後事務委任契約について、司法書士や弁護士等の専門家が関与する場合は、専門家への報酬が必要となります。
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2.死後事務委任契約に基づく事務に要する費用(報酬) |
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死後事務委任契約により、依頼する人(委任者)から依頼を受ける人(受任者)に報酬を支払う場合は、契約によって定めます。
特に定めがなければ無償となりますが、司法書士等の専門職が受任者になる場合は、報酬が必要となります。
当事務所では、自宅がなく、施設で生活されている方については330,000円。自宅がある方については、550,000円を基本報酬にしています。
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死後事務委任契約に関してお手伝いできる当事務所サービス内容
1.ご相談から契約書作成まで
任意後見契約と共に、その後の手続となる死後事務委任契約書の作成、遺言書の作成のお手伝いをしています。
2.死後事務委任業務
身寄りがない等の理由で、当事務所の司法書士が任意後見の受任者となる場合は、死後事務委任契約の締結もお勧めしています。
お葬式、埋葬、供養等、ご依頼いただいた範囲内で、死後の事務について対応いたします。
※現在、業務量の事情により、当事務所の司法書士が、死後事務委任契約の受任者となる契約は、お受けしておりません。
成年後見のご相談は、堺市・三国ヶ丘の司法書士吉田法務事務所へ
司法書士吉田事務所では、成年後見制度を通じ、高齢の方、障害を持つ方、身寄りのない方等が、
安心して生活できるよう、法律面からお手伝いします。
<成年後見に関するサポート内容>
・法定後見申立前の相談。法定後見申立書類作成・提出。裁判所への同行。
・親族後見人の継続的サポート。
・任意後見契約前の相談。任意後見契約公正証書の作成サポート。
・財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務委任契約、遺言書作成サポート。
・成年後見人(後見・保佐・補助)、遺言執行者への就任
<出張相談対応>
堺市・大阪市・高石市・和泉市・泉大津市・岸和田市・大阪狭山市・富田林市
河内長野市等、JR阪和線、南海高野線沿線を中心に、ご自宅、施設、病院までご訪問します。
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