成年後見コラム
『成年後見コラム』では、成年後見に関するご相談例、手続きについて、堺市の司法書士吉田事務所での取り扱い事例を元に、ポイントとなる部分をまとめています。
相続放棄のための後見人選任手続き
★ポイント
相続放棄は、家庭裁判所で手続きすることにより、相続人にならないようにするための手続きです。
相続放棄の手続きをするきっかけとしては、「残された借金が大きく、支払いをしていけない場合」などが考えられますが、ご本人に判断能力がない場合は、後見人等が相続放棄の手続きを進めます。
相続放棄が行なわれるきっかけとしては、「債務が大きくて支払いきれない」「財産はないが、借金がいくらあるか分からない」といった場合が考えられます。
相続放棄をすることで、「はじめから相続人でなかったものとみなす」とされますので、借金の支払い義務を免れることができます。
相続放棄をする場合は、相続放棄の申述書にご本人が署名押印することになりますが、認知症などで、自らの意思で「相続放棄をするかどうか」の判断ができない状況におられる場合は、まずは家庭裁判所で成年後見人等の選任手続をし、選ばれた成年後見人等が代理して、相続放棄の申立をすることになります。
成年後見人の選任手続の申立をする際には、債務の存在について、把握できている範囲で提出することと、後日、相続放棄の申立を予定していることも、家庭裁判所に伝えておきましょう。
相続放棄の申述は、「自己の相続開始を知った時」から3か月以内に家庭裁判所にすることになります。
成年後見人選任を待って相続放棄の申立をするとなりますと、亡くなられてから3か月が経過してしまう可能性もありますが、「相続人が成年被後見人である時は、成年後見人が相続の開始があったことを知った時から起算する」(民法917条)ことになっていますので、
成年後見人の選任手続をしている間に3か月が経過してしまったとしても、問題はないと考えられます。
なお、後見人の候補者となる人自身も相続人である場合は、「利益相反」の問題が生じないかどうかの検討が必要となります。
例えば、お父様が亡くなられ、相続人がお母様とお子様の場合で、子が母の成年後見人等になる場合は、母が相続放棄をすることで、子の相続分が増えることになるためです。
昭和53年の最高裁判例では、「共同相続人の一人が他の共同相続人の全部または一部を後見している場合において、後見人が被相続人代理してする相続の放棄は、後見人みずからが相続の放棄をしたのちにされたか、または、同時になされたときは、利益相反にはあたらない」とされています。
したがって、お子様が先に相続放棄をされるか、もしくは、同時に相続放棄をされる場合は、利益相反には該当しないことになります。
一方、お母様のみを先行して相続放棄の申立をされる場合は、仮に相続財産が債務だけであったとしても、お母様に不利益が及ぶ可能性がありますので、別途、相続放棄申立のために「特別代理人」の選任が必要(成年後見監督人が選任されている場合を除く)です。
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