成年後見コラム
『成年後見コラム』では、成年後見に関するご相談例、手続きについて、堺市の司法書士吉田事務所での取り扱い事例を元に、ポイントとなる部分をまとめています。
大阪家裁における後見の書面審理制度
★ポイント
後見申立の手続きの流れは、管轄の裁判所により異なります。
大阪家裁管轄の場合、申立人が裁判所に出向き、参与員や調査官の面接が入るので一般的ですが、一定の要件を満たす場合は、書類だけで審理される制度が設けられています。
大阪家裁の書面審理の制度は、平成30年2月から始まっています。
大阪家裁の後見申立に際しては、申立人や後見人候補者に対し、裁判所の受理面接が入り、面接の後に後見開始の審判が出るのが一般的ですが、下記の
全ての要件を満たす場合には、書面による審理を求めることができます。
裁判所から不足の書類を指示される場合でも、郵送による対応を受け付けてくれます。
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<要件>
- 後見開始の申立事件であること。
- 診断書の内容が「後見開始相当」であること。
- 親族による申立てであること。
- 弁護士又は司法書士が申立書等の作成に関与していることが明らかであること。
- 後見人候補者が、「ひまわり」の成年後見人推薦名簿に登載されている弁護士、「リーガルサポート」の成年後見人推薦名簿に登載されている司法書士、または裁判所が選任する第三者であること。
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書面審理を求める場合は、「事情説明書(書面審理用)」と「本人情報シートの添付」が必要となっていますが、これは、書面審理を求めない場合でも同様の書類が必要ですので、特にハードルが高くなるわけではありません。
以上の書面審理のポイントをまとめますと、下記のようになります。
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- 後見申立に限られるため、「保佐」や「補助の場合は不可。
- 親族による申立てに限られるため、「本人による申立ての場合」は不可。
- 申立書類の作成を、弁護士や司法書士に依頼せず、自ら(親族も含む)行う場合は不可。
- 「後見人の候補者に親族がなる場合」は不可。
- 司法書士を後見人候補者にする場合でも、「リーガルサポートによる候補者名簿に登載されている司法書士」でないと不可。
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当司法書士事務所での直近の事例では、令和元年8月7日に申立て→同8月16日に後見開始の審判(当事務所の司法書士吉田が候補者)。令和2年2月14日に申立て→同2月20日に後見審判(当事務所の司法書士吉田が候補者)と、非常に早い流れで後見開始の審判まで進んでいます。
書面審理の運用が正式に運用されているのは、令和5年現在、大阪地裁の本庁のみで、堺支部や岸和田支部では適用がありませんが、新型コロナウイルス対策を経て、各庁共に、少しずつ運用に変化があります。
大阪本庁で、本人申立の保佐であっても、「説明状況報告書」を司法書士が提出することで、書類だけで審理を進めてもらえたり、一方では、親族からの後見申立で書面審理の要件を満たしているにも関わらず、本人の調査(電話による意思確認)が入った事例もあります。
その時は、書面審理の制度ができた頃とは裁判官も変わり、方針が変わってきている。「本人の意に反してはいけない」という部分の確認と、細かく判断していくという方向に進んでいると、調査官から聞きました。
堺支部では、ほぼ書類だけで審査が進む傾向ですが、補助については調査官による面接が入りました。
岸和田支部でも、「親族による申立て」で、司法書士が「後見」の候補者になる事例では、書類だけで後見開始の審判が下りています。
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安心して生活できるよう、法律面からお手伝いします。
<成年後見に関するサポート内容>
・法定後見申立前の相談。法定後見申立書類作成・提出。裁判所への同行。
・親族後見人の継続的サポート。
・任意後見契約前の相談。任意後見契約公正証書の作成サポート。
・財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務委任契約、遺言書作成サポート。
・成年後見人(後見・保佐・補助)、遺言執行者への就任
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