成年後見コラム
『成年後見コラム』では、成年後見に関するご相談例、手続きについて、堺市の司法書士吉田事務所での取り扱い事例を元に、ポイントとなる部分をまとめています。
成年後見人から、他の親族の後見申立はできない
★ポイント
成年後見人から、そのご家族の後見申立てを行うことはできません。
また、後見開始の審判を受けたご本人も、そのご家族の後見申立ができない、というのが、家庭裁判所の取扱いです。
司法書士が被後見人さんらと接している中で、実は、被後見人さんらのご家族にも、後見制度による支援が必要な方がおられた、というケースがあります。
そういった場面で、親族さんの後見人等である司法書士が、後見人を選任する申立ができないか、と検討する場面がありましたが、「親族の後見人等」は、民法上、後見開始の申し立てができる人、の中に含まれていません。
また、東京家庭裁判所の取扱いとして、「親族の後見人からの申立てを認めることについては、慎重な対応をしている」「適法な権限を有しないでされたものであるため無効と判断され、却下となる可能性がある」という記載が、別冊判例タイムズ『後見の実務』NO.36(2013.04)の21ページにありました。
司法書士吉田事務所における事例(令和4年)の中でも、大阪家庭裁判所との相談の中で、
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■ 親族の後見人等から、他の親族の後見人選任の申立てはできない
■ 後見開始の審判を受けた本人も、他の親族の後見人選任の申立てはできない
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という大阪家庭裁判所の見解を、確認しています。
選択肢としては、他の親族からの申立てを考える、本人申立を考える、それも無理ならば、市長申立てを待つ、というになります。
一方、大阪家庭裁判所との相談の中で、
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■ 後見の審判を受けた親族から、他の親族の後見人選任の申立はできない
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という論点も、確認しました。
逆に考えると、「補助」や「保佐」の審判を受けた親族であれば、その親族の後見人を選任する申立ができる可能性がある、ということになります。
親族内に紛争がない、利益相反の問題は起こらない、という前提が必要ですが、当事務所では、ご家族内で、複数の方の後見人等に就任している、という事例があります。
1件は、ご本人による申立て。
もう1件は、保佐の審判を受けた、ご家族からの申立です。
その場合、あえて、後見人等として、「他の専門職を入れたほうがいいのではないか」という考えもありましたが、1つのご家族に、複数の専門職が出入りすることで、ご本人らが混乱するリスクと、情報が分散して、福祉関係者との連携が取りづらくなるデメリットを考えました。
最初のご相談時から、ご家族の中で、「後見制度による支援が必要な方が、複数おられることが確認できる」という場合は、まずは、申立人になって下さる家族さんが、他におられないかどうか、を検討すべきでしょう。
協力して下さるご家族がおられない場合は、後見人等を選任する順序と、「本人申立」が可能である方はどなたか、という部分に注意して、手続きを進めていく必要があります。
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・財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務委任契約、遺言書作成サポート。
・成年後見人(後見・保佐・補助)、遺言執行者への就任
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